均し(ならし)は、打ち込まれたコンクリートを基準の高さまでならし、面の通りを出す工程です。地味に見えますが、床の平坦性がここで決まってしまうため、後の工程では取り返しがききません。
均しの目的は「高さを揃える」こと
コンクリートは打ち込まれた時点では、山あり谷ありの状態です。均しはこれを設計上の仕上げ高さに揃える作業です。
前提として、打設前にレベル基準が出ている必要があります。レーザーレベルで基準高さを設定し、レベル杭や目印を面に配置しておく。均しはこの基準に合わせて表面を削る作業なので、基準がなければ始まりません。
荒均しと定規ずり
最初はトンボやレーキで、打ち込まれたコンクリートを広げながら余分を削り取ります。これが荒均しです。この段階ではまだ面は粗く、大きな高低差を消していく作業になります。
次に、長い直定規(スクリード)を面に当てて擦ります。定規は二人で引くこともあり、面の高い部分を削り、低い部分にコンクリートを送り込みながら通りを出していきます。
定規を当てる方向を変えて何度か繰り返すと、面の波が消えていきます。この繰り返しをどこまでやるかが、仕上がりの平坦性を左右します。
「平らにする」と「勾配を通す」は別の作業
屋内の床は水平に均しますが、屋外の土間や排水が必要な面では、排水先へ向かって勾配を取ります。
勾配を取る場合、面全体で傾きが均一でなければなりません。途中で勾配が緩んだり反転したりすると、そこに水がたまります。基準点を複数取り、面全体を通して勾配が連続しているかを確認しながら進める必要があります。
「水平に均す」より「均一に傾ける」ほうが難しい、というのが実務上の感覚です。
均しの後に何が残るか
均しが終わった段階では、表面はまだざらついていて、コンクリートも軟らかい状態です。ここから水が引くのを待って押え工程に入ります。
重要なのは、押えは「表面を締める」工程であって「高さを直す」工程ではないということです。押えの段階で不陸を修正しようとしても、削れる量はごくわずかで、無理に材料を足せば表層が弱くなります。
だからこそ、平坦性は均しで決めきる必要があります。
よくある質問
均しと押えは何が違いますか?
均しは高さと勾配を決める工程、押えは表面を締めて強度と平滑さを出す工程です。均しが先、押えが後で、目的がまったく異なります。
