工場や物流倉庫の床は、フォークリフトが走り、ラックが立ち、製品が置かれます。一般的な駐車場の土間と比べて要求水準が高くなる理由と、計画段階で押さえるべき点を整理します。
平坦性が求められる理由
倉庫床の平坦性は、見た目の問題ではありません。
フォークリフトが不陸のある床を走行すると、車体が揺れます。マストを上げた状態では、床のわずかな傾きが上部で大きな振れとなって現れ、荷役作業の安全性に影響します。
また、高層ラックを設置する場合、床が傾いていればラック自体の垂直精度に影響します。設置後に調整することもできますが、床が平坦であるほど調整量は少なくて済みます。
自動搬送機器を導入する計画がある場合は、さらに要求が上がることがあります。設備計画がある場合は、床の仕様を決める前に共有しておくことが重要です。
荷重条件から仕様を決める
倉庫床では、複数の異なる荷重が同時にかかります。
- 走行荷重:フォークリフトなどの車両が繰り返し通ることによる荷重
- 集中荷重:ラックの支柱脚部にかかる、面積の小さい大きな荷重
- 積載荷重:床に直接置かれる製品・資材の荷重
粉塵と摩耗への対策
倉庫床の表面が粉を吹くと、製品への付着、清掃頻度の増加、フォークリフトのタイヤ摩耗といった形で日常的な負担になります。
この粉塵の多くは、表層の緻密さが不足していることに由来します。押え工程で表面が十分に締まっていない、あるいは押え時に散水して表層の水セメント比が上がっている場合に発生しやすくなります。
つまり、粉塵対策は特別な材料を使うより先に、押え工程の品質そのものが効いてきます。そのうえで、必要に応じて表面硬化材や防塵塗装を検討する流れになります。
目地の位置は動線を考えて決める
収縮ひび割れを制御するために目地は必要ですが、倉庫床では目地の位置が運用に影響します。
フォークリフトが頻繁に通過する動線上に目地があると、そこが繰り返し衝撃を受け、目地際の欠けが進行することがあります。
主要な走行動線とラック配置が事前にわかっていれば、目地の割り付けをそれに合わせて検討できます。レイアウトが決まっている場合は、床の計画段階で共有しておくと選択肢が増えます。
施工中の条件も計画に含める
大面積の倉庫床は、一度に打ち切れず区画を分けて打設することが一般的です。
打継ぎ位置をどこに設けるか、区画ごとの施工順序、押えのタイミングが面全体でずれることへの対応。これらは打設当日に決めるものではなく、事前の計画で決めておく事項です。
よくある質問
稼働中の倉庫でも部分的に施工できますか?
区画を区切っての施工や、稼働時間外での作業をご相談いただくことがあります。養生期間中はその区画を使用できないため、運用計画と合わせて検討する必要があります。
