金鏝仕上げは、コンクリートやモルタルの表面を金属製の鏝で押さえて仕上げる方法です。ツルリとした平滑な面になるため見た目にわかりやすい仕上げですが、どこにでも適しているわけではありません。
金鏝仕上げで何が起きているか
金鏝で表面を押さえると、表層のセメントペーストが圧密され、骨材との隙間が詰まります。この結果、空隙の少ない緻密な層ができます。
緻密な表層は、摩耗に強く、粉塵の発生が少なく、水や油が染み込みにくいという性質を持ちます。倉庫床や工場床でこの仕上げが選ばれるのは、見た目ではなくこの実用性のためです。
仕上げの終盤で鏝を寝かせて強く押さえると、表面に光沢が出ます。この光沢は塗料ではなく、コンクリート自身の表層が締まった結果です。
向いている場所
- 倉庫・工場の床:フォークリフト走行時の摩耗と粉塵を抑えられる
- 屋内駐車場:清掃しやすく、タイヤ跡が付きにくい
- 床仕上げ材の下地:平滑な下地は長尺シートやタイルの仕上がりに直結する
- 店舗のバックヤード:清掃性が求められる
注意が必要な場所
金鏝で締めた面は、濡れると滑りやすくなります。屋外の通路、スロープ、雨がかかる駐車場の出入口などでは、安全面から別の仕上げを検討します。
この場合によく使われるのが刷毛引き仕上げです。押えたあとに刷毛で表面に細かい筋を付けることで、滑りにくさを確保します。見た目の平滑さは金鏝に劣りますが、屋外では実用上の優先度が変わります。
同じ敷地内でも、屋内は金鏝、屋外スロープは刷毛引き、というように部位ごとに使い分けることがあります。
金鏝仕上げの品質を左右するもの
金鏝仕上げは最終工程ですが、その仕上がりは前工程で決まっている部分が大きくあります。
均しの段階で不陸が残っていれば、金鏝で押さえても波打った面のままです。ブリーディング水が引く前に押え始めていれば、いくら丁寧に金鏝を当てても表層は弱いままです。
「金鏝仕上げにしてほしい」という要望は、実際には打設から仕上げまでの全工程の管理を含んだ要望だと考えたほうが実態に近くなります。
よくある質問
金鏝仕上げでも滑り止めはできますか?
表面に滑り止め処理を後から施す方法もありますが、屋外で滑りにくさが必要な場合は、最初から刷毛引き仕上げなどを選ぶほうが確実です。用途をお聞かせいただければ仕上げ方法をご提案します。
